人は亡くなっても、消えない

今日は、祖母の命日です。
祖母は、私が小学生の頃に亡くなったので、よく考えたらもう30年近く経ちます。

亡くなる前には、自宅で療養し母がずっと介護していました。
私が小学校に入ってすぐくらいにガンが見つかり、そこから入退院を繰り返していた記憶があります。

その間、母は毎日病院へ通っていたため、家に帰ってきても誰もいないことがとても寂しい記憶として残っています。
忙しそうにしている母を子供ながらに気遣い、いつの間にか自分の気持ちを抑えるクセをつけていました。
子供心ながらに、母の負担になってしまうのが心苦しくて、「自分がいないほうがいいんじゃないか」そんなことを思っているときもありました。

大人になってから、当時の母の置かれていた状況、母も一人の人間であるということを客観的に見れるようになり、その状況下で、「私をかまってあげられない」ことにも申し訳ない気持ちを持っていたのだろう、とわかるようになりました。

母は、私のことを「ウサギに育てられた」と言ったときがあります(笑)
母は、自分の代わりをウサギがしてくれたと思っているのかもしれません。

人が亡くなるということに対して、私はあまりネガティブな感覚がなぜかあまりありません。
もちろん、物理的に会えなくなるという寂しさはありますが、亡くなっても「消えるわけではない」というような感覚を持っています。

むしろ、物理的な距離感がなくなるので、より身近になる気がしているのですね。
目には見えないけれど、いつも近くにいるように思うのです。

なので、心の中でその人を思い出し、その人を感じ取ろうとする。
そうすると、近くにきてくれる気がするのですよね。
そして、稀に言葉が出てくるときがあります。そんなときは、そう私に伝えたいのかなと思い、「ありがとう、わかったよ」と受け取ります。

亡くなることは、目に見えなくなる悲しさはありますが、その分より自分の身近な存在になり、日々守り、助けてくれていると思っています。

今日は、しっかり祖母に「いつもありがとう」と伝えようと思います。