負けるが勝ち

「負けるが勝ち」
という言葉、この言葉が私は好きです。

どうしても私は、勝ち負けで何事も見てしまいがちです。
負けず嫌いな性格もあるのかもしれません。
他人と自分を比べてしまうクセもあるからだと思います。

でも、正社員で働いていた会社を辞めるときに、「負けるが勝ち」を選択して辞めました。

男性ばかりの職場で、「私だってできる、私も同じようにやりたい」と思っていました。
でも、同じようにできないし、最終的には体調を崩しました。

そこで始めて、「戦うのはもうイヤだ」と思ったのです。
そして、「もういい、負けてみよう」と思いました。戦うことばかりが「いい」とは限らない。

正社員を辞めるという選択は、一般的に「よし」とされてきたルートから外れることになります。自分の中では「負け組」になるような感じがしました。なので、悔しさみたいなものももちろんありました。
でも、それと同時にそこにこれ以上いても、自分にとってプラスになるものはない…
とも感じていたのです。

勝ち負け、上下…
今思うと、勝手にそういう世界を自分で創りだしていた。

環境の影響も大きかったとは思います。
でも、本当は環境のせいではなく「自分の内の世界」の問題だった。

勝ち負けや上下を一番気にして意識していたのは自分。
その自分の意識さえ手放せれば、見える世界は変わったはずです。

でも、辞めて後悔はないです。
そこから数年はとにかくジタバタしました。
自分に合う環境、ペース、すべてをやりながら自分の感覚と擦り合わせていくような感じでした。今も、常に微調整はかけています。

でも、少し時間がかかってもやっていけば何とかなるということ。
ここばかりは、やり方や自分に合う環境、ペースは違うので、自分でやるしかない。

でも、「戦うのがいやだ」「頑張るのがいやだ」と思うのであれば、

「自分から負けてみる」

という選択をしない限り続きます。

誰かがその環境を作ってくれるわけではないのです。
自分で自分を幸せにする。

負けてみると、「な~んだ、全然大丈夫だった」ってきっと思います。

そんな世界も本当は、ずっと前からあったのです。
でも、その世界を選ばなかったのは自分。

勝手に戦って、頑張っているのは自分。

もう戦うことをやめても大丈夫。
頑張るのをやめても大丈夫。

そんなダメな自分を受け入れてくれる世界は必ずあります。
むしろ、そんな自分こそ「ダメな自分」ではなく、素の「本当の自分」なのだと思います。